こんにちは! 元公務員こむちゃん(@real_komuin)です。
- 私が公務員を目指す前に知りたかったこと
- 公務員を辞める前に知っておきたかったこと
この2つをコンセプトに発信しています!
公務員でうつ病や精神疾患を抱える人が増えています。
実際に私の周りでも長期療養に入っている方が何人かいました。
「なぜ安定していると言われる公務員で精神疾患が増えてきているのか」以前から気になっていました。
公務員の方、公務員志望の方はこの記事を参考にして健全なメンタルを保っていただきたいです。
今回は、その理由について解説していきたいと思います。
書籍「ストレス脳」読んでみた
2022年Amazonブラックフライデーで「ストレス脳」という本を買い、読みました。
「ストレス脳」は、ベストセラー「スマホ脳」作者の新著です。
「スマホ脳」では、スマートフォンが私たちのメンタルにどのような悪影響を与えているのかを解説していましたが、新著「ストレス脳」では、うつ病や軽度の精神疾患のメカニズムと対策について書かれています。
「ストレス脳」の私なりの要約はこんな感じです。
- 前提として、人間は狩猟採集時代(十数万年)に適した身体となっている。
- 狩猟採集時代に感染症で死ぬ人は多く、私たちは感染症を生き抜いた者たちの子孫。
- 感染症蔓延時に生き抜く最適解 =「誰とも会わずに引きこもる」=うつ病の症状
- 狩猟採集時代、感染症の危険性が高まる時はいつも慢性的ストレスが伴った。
- 例:家族の死。鎮痛薬などが無いので負傷したら痛みでずっと眠れないかもしれない。
- つまり、慢性的なストレスが続くと身体は感染症モードになる。感染症から生き残った遺伝子によってうつ病の症状へと向かう。
- うつ病や精神疾患は、脳が(今が狩猟採集時代ならば)正常に機能している証拠。
- 「狩猟採集時代で感染症が蔓延しているような状況」は避けるべき。
- 特に「運動不足」,「孤独」には気をつけるべきである。
1回読んだだけなので少し解釈のズレがあるかもしれませんが、とても興味深く面白い本でした。
この本を読んだ最初の感想は、「公務員(特に係長や課長補佐級)ってうつ病になりやすそう。。。」でした。
では、元県職員が「ストレス脳」「スマホ脳」を読んで分かった、公務員がうつ病になりやすい理由3選いきましょう。
デスクワークによる運動不足
他のホワイトカラー労働者にも言えることですが、運動不足はうつ病の大きな原因になります。
狩猟採集時代は身体を動かし、食糧を手に入れる必要があったので、毎日ハードな運動をしていました。
これは私の予想ですが、感染症蔓延時には狩猟・採集どころではないので運動不足になり、うつ病が発症したのだと思います。
狩猟採集時代の生活が私たちの身体には遺伝子レベルで合っています。
運動不足で日光を浴びないとメンタルに不調が出るのは当たり前と言えば当たり前ですよね。
特に県職員は遠距離の異動が頻繁にあるため、長距離通勤が当たり前になり、車通勤が多くなります。通勤で歩いたりしないと運動不足には陥りやすいです。
公益のために身を捧げる必要性
公務員は、公益のために身を捧げる必要があることから、慢性的なストレスを抱えやすいです。
まず、公務員は民間企業で働く人達よりプライベートがありません。住民の目が常にあるからです。
人の目を気にしやすい人にとっては慢性的なストレスになるでしょう。
特に市町村職員は、土地に密着した地域住民でもあるので、さらに人目を気にすることになります。
地域の行事には必ず出席しなければなりません。そこでは色々な不満などを聞かされることになるでしょう。
また、何か問題が起きた時は公益のためにプライベートを犠牲にすることになります。行政の仕事は、「やりたくないからやらない」が全く通用しない世界です。
特に災害や、人の命が関わる一大事の時などは、「出来ないからやらない」が通用しません。
明らかに人が少なくてもやる。労働基準法に違反していてもやる。休職者が多くてもやる。
うつ病が多い医療従事者と一緒で、内発的にもやらない選択肢がないんです。
考えたところで結局やらなければならないので、思考停止の公務員が多いんですね。
人員不足による中間管理職の負担大
公務員で一番仕事が大変なポジションは、課長補佐や係長級です。実際、このクラスの人達にうつ病が多い傾向にあります。
私の周りの係長・課長補佐級の人達は、部下や上司のために私生活を犠牲にして仕事に取り組む人たちばかりでした。
「自分にはこんな自己犠牲精神ない」と悟ったのも私が公務員を辞めた原因です。
地方公共団体はリーマンショックの時代に大幅な人員削減をしたことや、財源不足が原因で慢性的な人員不足です。
この人員不足の影響を強く受けるのが、係長・課長補佐級の人達です。
彼らの仕事と言えば日常的な仕事に加え、
- 課長などの秘書的業務
- 外部や内部も含めたあらゆる調整
- 会議の運営
- 会計年度職員の雇用などの人事
- 部下の育成
- 課長への忖度
などなど多岐にわたります。
また、リーマンショック時の採用削減によって主任・主査級の人数が少ないので、今の係長・課長補佐級は主事の面倒まで見る必要があります。
さらに昨今はハラスメント問題や、長時間労働の規制があり、部下に仕事を振る事がとても難しくなっています。
以上の原因から、彼らは課長からダメ出しをされながら孤独になり、仕事を自分で抱え込んで睡眠不足になり、うつ病に向かっていきます。
長距離通勤の激務県職員は慢性的な睡眠不足でしょう。彼らの年代は自律神経が乱れやすいので、肉体的にも精神的にも回復しづらいです。
AIがホワイトカラーの仕事を奪うのはいつなのでしょうか。彼らのためにも早く奪ってください。。。
まとめ
今回の記事では、「ストレス脳」を読んで公務員でうつ病が多い理由について考えました。
まとめとしてはこんな感じです。
- 人間は遺伝子レベルで「うつ病になる能力」が組み込まれている。
- 狩猟採集時代の生活スタイルと真逆の生活をすればうつ病になる。
- 公務員(特に係長・課長補佐級)は運動不足、睡眠不足、孤独に陥りやすく、うつ病になりやすい。
うつ病になるメカニズムを説明するのが難しく、伝わりにくい点があったかと思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
うつ病で休職者が出れば、休職者の仕事は誰かが必ずやらなければなりません。うつ病による休職者の代わりに職員を雇うことは財政的、事務的負担からあり得ないので、残された人たちに仕事が降りかかります。
つまり、うつ病は新たなうつ病を生んでしまう可能性が高いということです。
市役所や役場を志望している方は、実際にお昼ごろ役所に行き、係長・課長補佐級の人を確認してみましょう。デスクが集まっている島の中で奥に座っている人が彼らです。ちなみにその後ろで単独のデスクに座っているのが課長です。
食後、彼らが眠そうにしていたら危険なサインです。
以上、ありがとうございました!
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