導入:本来の「労働組合」は素晴らしいものだが…
- 本来の意義: 資本家(経営者)と労働者の対等な立場を守るため、団結権は非常に重要。
- 筆者の立ち位置: マルクス経済学を学び、民間企業における労組の重要性は深く理解している。決して「反労働者」ではない。
- 問題提起: しかし、公務員の労働組合(特に地方公務員)は、その本来の姿からかけ離れていないか?私の実体験をもとに、その「闇」を暴露する。
誤解のないように言っておくが、私は労働組合そのものを否定するつもりはない。私自身マルクス主義の考え方は理解していて、斎藤幸平氏の書籍は4冊持っている。資本家(経営者)に対して、立場の弱い労働者が団結して権利を守る重要性は、理論的にも歴史的にも深く理解しているつもりだ。
民間企業において、労働組合は今も不可欠な存在だと言えるだろう。
しかし、私が県庁職員、そして市役所職員として働いて感じたのは、**「公務員の労働組合は、本来あるべき姿からあまりに逸脱しているのではないか?」**という強烈な違和感だった。
今日は、元県庁・市役所職員の視点から、新入職員には決して説明されない「公務員労組(自治労)の闇」について書きたい。
公務員労組(自治労)の「闇」:金と政治
- 不透明な金の流れ: 毎月給与から天引きされる高額な組合費(新卒5,000円〜係長級8,000円)。これが何に使われているか知っているか?
- 「上納金」システム: 集められた金の一部は、上部団体である「自治労(全日本自治団体労働組合)」に流れる。
- 政治活動への流用: 自治労は「立憲民主党」の最大の支持母体の一つ。
- 重要ポイント: 組合費を払うことは、間接的に(しかし確実に)特定の政党を支援することになる。
- 新入職員研修では、この「政治的背景」は一切説明されない。これはアンフェアではないか?
私が市役所に転職し、入庁した時のことだ。新規採用職員研修の場で、それは行われた。 事務的な説明の流れで、労働金庫(ろうきん)の担当者が現れ、こう言った。
「給与天引きで積立や保険に入るためには、こちらの書類にサインが必要です」
あたかも「福利厚生の一環」であるかのような口ぶりだったが、そこには労働組合への加入届もセットになっていた。「保険に入るためには組合に入らないといけない」という、事実上のバーター取引だ。 右も左も分からない新人は、同期が書いているからと、思考停止でサインをしていく。
そこには、組合の理念や、組合費の使途についての説明は一切ない。あるのは「みんな入るんだから」という無言の同調圧力だけだ。これが、公務員の組合加入の実態である。
新人を狙い撃ちする「エグい勧誘手口」
- 実体験: 市役所入庁時の研修での出来事。「ろうきんの積立や保険に入るには、組合に入らないといけない」という誤解を招く説明で、流れ作業で署名させる。
- 思考停止の罠: 公務員になったばかりの不安な心理を利用し、「みんな入るもの」という同調圧力で囲い込む。
- 執拗な呼び出し: 拒否した場合の圧力。仕事中に何度も「組合の部屋」に呼ばれる異常性。
公務員の組合費は高い。私のいた自治体では、新卒でも毎月約5,000円、係長級になると約8,000円が給与から天引きされていた。
ここで冷静に計算してみてほしい。 仮に月平均5,000円だとしても、40年間勤務すれば、 5,000円 × 12ヶ月 × 40年 = 240万円 である。
新車が1台買える金額だ。この大金は一体どこに消えているのか? ここで登場するのが**「自治労(全日本自治団体労働組合)」**という存在だ。
現場で集められた組合費の一部は「上納金」として上部団体の自治労へ流れる。そして、この自治労は**「立憲民主党」の巨大な支持母体**である。 つまり、何も知らずに組合費を払うことは、間接的に特定の政党(立憲民主党)に政治献金をしているのと同義なのだ。
もちろん、特定の政党を支持するのは個人の自由だ。しかし、その政治的背景を一切説明せず、事実上強制的に集金するシステムは、あまりに不誠実ではないだろうか。
ここではあえてみなまで説明しないが、公務員の給与は税金であるということも付け加えておこう。
公務員の給与は「闘争」ではなく「勧告」で決まる
民間との違い: 公務員にはストライキ権がない代わり、「人事院勧告(および人事委員会勧告)」がある。
給与決定の仕組み: 基本的に国家公務員の給与(人事院勧告)に準じて決まるため、組合が自治体側と交渉して劇的に給与が上がるわけではない。
組合がない自治体: 職員団体などがデータを作成し交渉するだけで機能している例もある。毎月数千円を払うコストパフォーマンスに見合っているか?
組合側が加入を勧める際の常套句に「組合が交渉しないと、給与や待遇が悪くなる」というものがある。 はっきり言うが、これはポジショントーク(自分たちの立場を守るための発言)に過ぎない。
そもそも地方公務員には争議権(ストライキ権)がない。その代償として存在するのが**「人事院勧告」**だ。 地方公務員の給与は、基本的に国家公務員の給与水準(人事院勧告)に準拠して決まる。組合が市町村長と机を叩いて交渉したから給料が上がるわけではない。原則、国が「上げろ」と言えば上がり、「下げろ」と言えば下がるのだ。
実際、日本には労働組合が存在しない自治体もある。そこではどうしているか? 「職員団体」としての代表者が、給与に関する資料を作成し、形式的なやり取りをするだけで済んでいる。組合費を徴収せずとも、給与体系は維持されているのだ。
財源問題:「金がないから上げられない」はほぼ嘘
- 財源の保証: 国が給与水準を決める際、必要な財源は地方交付税措置される仕組みがある。「組合がないと給与が下がる」はポジショントークに過ぎない。
「でも、自治体に財源がなければ給料は上げられないじゃないか」と反論する人がいるかもしれない。 ここには、多くの職員が知らない**「地方交付税(ちほうこうふぜい)」のカラクリ**がある。
地方公務員の給与財源は、国がしっかりと保障する仕組みになっているのだ。 専門的な話になるが、国が自治体に配るお金(地方交付税)を決める際、**「基準財政需要額」**というものを計算する。この計算式の中には、公務員の給与水準も組み込まれている。
簡単に言えば、**「人事院勧告に従って給与を改定した場合、その増加分に必要な人件費は、国が地方交付税として措置する(面倒を見る)」**というルールになっているのだ。
つまり、「組合が頑張って財源を勝ち取った」わけではない。国が法に基づいて計算し、配っているに過ぎない。 この財政の仕組みを知っていれば、組合費を払ってまで「賃上げ交渉」を依頼する意味がいかに薄いか理解できるだろう。
総務省資料: 毎年の「地方交付税の算定基礎」において、給与改定に伴う補正係数の変更などが明記されます。
地方公務員法 第24条: 職員の給与は「国及び他の地方公共団体の職員…を考慮して定められなければならない(均衡の原則)」とあり、これに従う限り国は財源を保障する建前になっています。
まとめ:思考停止からの脱却
- メリットのなさ: 既婚者にはメリット皆無。あるのは「出会い(飲み会)」と「組織の裏側を知る勉強代」くらい。
- メッセージ: 自分の給与明細を見てほしい。その数千円があれば、自己投資や家族のために何ができるか。同調圧力に屈せず、「入らない」という選択肢を持ってほしい。
私は民間企業の組合の意義は認めているが、現在の公務員労組、特に特定の政党と癒着し、その事実を隠して新人を囲い込むやり方には強い憤りを覚える。
公務員労組に入るメリットをあえて挙げるとすれば、
- 飲み会などの「出会い」があること
- 私のように「公務員労組の闇」を内部から学べること くらいだろうか。
既婚者には出会いなど不要だし、学びのために240万円を払うのは高すぎる授業料だ。
地方公務員法では、組合への加入・非加入は自由とされている(オープン・ショップ制)。 「みんなが入っているから」と思考停止する前に、一度給与明細を見て考えてほしい。 その毎月の数千円、本当に支払う価値がありますか?


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