こんにちは! 元公務員こむちゃん(@real_komuin)です。
- 私が公務員を目指す前に知りたかったこと
- 公務員を辞める前に知っておきたかったこと
この2つをコンセプトに発信しています!
今回は、公務員の文書事務のポイントについて解説します!
私は県職員だった頃、文書管理の部署を経験しました。その経験を活かして、「あまり教えてもらえない文書事務の注意点」を中心に解説していきます。
公務員でなくても参考になる内容となっています。
まあ、公務員以外にはさっぱり訳が分からない部分もあると思いますが。。。
公務員の仕事は文書事務がほとんどを占めます。公務員を目指す方は今回の記事で勉強して、実際に公務員になったらぜひ活かしてください。また、小論文にも活かせるはずです。
それではいきましょう!
分かりやすい文章をつくるポイント3選
まずは、分かりやすい文章をつくるコツを紹介します。
行政の文章は分かりづらいものですよね。
行政の文章には、「標記の件につきまして」や「下記のとおり」、「別紙1のとおり」など、指示語で目線を誘導させる独特の形式が多用されます。初めはとっつきにくいですが、この形式の部分は慣れてしまえばなんとかなります。
しかし、文章自体が分かりづらいと、意味が伝わりにくく、相手を不快な気分にさせてしまいます。
以下のポイントに気を付けて、分かりやすい文章を作成しましょう!
肯定文で書く
否定文で書かれた文章は、内容が分かりにくい上、押し付けがましい印象を与えます。
なるべく肯定文を使いましょう。
- こちらの書類は税務署でないと受付できません。✖
- (突っぱねられたと思いキレる被害妄想バカがたまにいます)
⇒ こちらの書類は税務署で受付できます。〇
「し・り・て・が」といった接続詞を使わない
まず、良くない例を挙げます。
✖ 良くない例
【逆説のとき】彼女は定時で帰宅し、上司は5時間サービス残業をした。
【逆説のとき】建設事務事務所の予算は使い切れないほどあり、人手が足りない。
【因果関係】政府が建設国債をばらまいて、建設事務所の予算は使い切れないほどだ。
【重文・単文】政府の目標はインフレ誘導だったが、建設国債の発行では達成されることはなかった。
これをスッと分かりやすい文章にしてみます。
〇 良い例
【逆説のとき】彼女は定時で帰宅したにも関わらず、上司は5時間サービス残業をした。
【逆説のとき】建設事務所の予算は使い切れないほどあるにも関わらず、人手が足りない。
【因果関係】政府が建設国債をばらまいたことにより、建設事務所の予算は使い切れないほどだ。
【重文・短文】建設国債の発行では、インフレ誘導という目標が達成されることはなかった。
いかがでしょうか。文章の内容がスッと頭に入ってくる気がしますよね。
接続詞に気を配ることで、1度サラッと読んだだけで伝わるようになります。
一文ではあまり効果が感じられませんが、長い要領や議事録等の文章になると効果はあります。
「6W4H」の具体性を意識する
「6W4H」とは、以下のとおりです。
- When(いつ)
- ✖ 今週中 ⇒1月27日(金)午後5時までに
- Where(どこで)
- Who(誰が)
- Whom(誰に)
- Why(どうして)
- What(何を)
- How(どのように)
- How many(いくつ)
- ✖ いくつか・たくさん ⇒3点ほど・50枚以上
- How much(いくらで)
- How long(どのくらいの間)
- ✖ しばらく・少々 ⇒3週間程度・2,3分
意識しないと難しいのですが、「6W4H」を使ってなるべく具体的にいきましょう。
以上、紹介してきたポイントを意識して、具体性・簡潔さ・論理的・好印象な文章をつくっていきましょう!
私も分かりやすい文章をまだまだ書けていない自覚はあるので頑張ります。
決裁の時の注意点7選
ここからは決裁の時の注意点を解説します。
決裁というのは、施行したい書類を上司たちに回して(回議)、OKをもらうことです。
書類の綴じ方
決裁を回す書類は、「こより」または「ホッチキス」を用いて綴じることが昔ながら推奨されています。
私は決裁が終わった後にコピーする場合は「クリップ」を使っていました。
めんどくさいしきたりですが、ここは周りの様子を見て寄せましょう。
件名のつけ方
起案の件名は、起案した公文書の内容が一見して理解できるように、簡潔で具体的に示しましょう。
書き方は「~について」とし、件名の末尾に(通知)、(照会)、(回答)等その性質を表す見出しを記載すると分かりやすいです。
例としては、「公文書の保存期間の延長について(照会)」などです。
伺い文の書き方
起案するときの伺い文は、通常「~してよいでしょうか。」と1案の決裁を求めた後、「御決裁の上は、第2案により施行してよいでしょうか。」等と記載します。
ただ、1案がない場合は「~ので、次案により施行してよいでしょうか。」等となります。
また、伺い文には許認可の申請者名を記載するなど、申請書類等の添付文書を見なくても、何の案件なのか特定できるように作成しましょう。
第2案の意味は個々の解釈によるかもしれませんが、参考にしてください。
用字の基本
ひらがなにするか漢字にするか等々、用字に迷うことがあります。
その場合は、自治体の文書事務に関する手引き等で確認しましょう。
〈私の自治体の例〉
- 御決裁の上は 〇
- ご決裁の上は ×
- してください。 〇
- して下さい。 ×
- ~のとおり 〇
- ~の通り ×
- 日ごろ、 〇
- 日頃、 ×
- 公文書の中で「~すること」及び「~とき」で文が終わる場合は「。」を付けるが、「~の場合」及び「~もの」で終わる場合は「。」を付けない。
- 主語の後、また文の始めに置く接続詞及び副詞の後には原則として「、」を付ける。(また、なお、ただし 等)
- 「~法の規定に基づき」と「~法第〇条第〇項の規定により」を使い分ける。
- 「配布」と「配付」の違い。
- 前者は不特定多数に配る、後者は会議出席者等に配ること。
- 「さらに」と「更に」の違い。
- 前者は接続詞、後者は副詞。
- 一般に文書を細別する必要があるときの見出し記号は次のとおり。
- 第1 → 1 → (1) → ア → (ア) → a → (a)
- ただし、項目の少ない場合は「第1」を省く。①は使わない。
- 第1 → 1 → (1) → ア → (ア) → a → (a)
いやーめんどくさいですねー。
公文書公開請求に備えて
環境のため、紙の節約のために裏紙を使用することがあります。しかし、起案の場合は要注意です。
裏紙を使っていようがいまいが公文書です。公文書公開請求、開示・閲覧請求が来たときは、公開の可否を判断しなければなりません。
公文書に裏紙を使うことはなるべく控え、両面印刷などで節約しましょう。
受け手の立場になって
「~してください。」は、依頼しているようで実は命令だそうです。
内容によって、「~してくださるようお願いします。」まで書き添えましょう。
ただ、あまり意識しすぎてもどうかと思うので、頭の片隅に入れておきましょう。
まとめ
今回は公文書作成のコツなどについて解説してきました。
まとめが難しいですが、こんな感じです。
- 頭にスッと入る分かりやすい文章作成を心掛けよう。
- 否定文は使わず、接続や、具体性に気を付けよう。
- ご高齢の人から決裁をもらう時は、しきたりに気を付けよう。
- 覚えておいて損はない!
今回は需要がなさそうなテーマで記事を書いてみました。。。
公務員試験に合格して、何をしたらいいのか心配な学生に読んでもらえたら嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました!
ではまた!
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