県職員と市町村職員の違いは? 自分にはどちらが向いているんだろう?
これは実際に私が公務員になる前、一番気になっていたことです。
気になっていた理由としては次の通りです。
- 公務員試験の面接対策で答えられるようにしておきたかったから
- 地元の市役所と県職員、どちらも受かった場合どっちにしようか迷っていたから
同じような悩みを抱えている公務員志望の方も多いのではないでしょうか。
当時ネットでしらべても、自分にはどちらが向いているか明確な答えを出すことはできませんでした。
そこで、実際に県職員として働いた経験から、この違いを書いてみました!
また、現在地方公務員だという方も、公務員間の転職を考える際に参考にしてみてください。
こんにちは! 元公務員こむちゃん(@real_komuin)です。
- 私が公務員を目指す前に知りたかったこと
- 公務員を辞める前に知っておきたかったこと
この2つをコンセプトに発信しています!
少しずつTwitterのフォロワーだったり、ブログを見てくれる方が増えてきて嬉しい限りです。
ちなみに私は元県職員です。市町村の職員のことを熟知しているわけではありません。
主に県職員のことが中心になるかと思いますがご容赦ください。
それでは行きましょう!
①直接住民と関わる頻度
まずは直接住民と関わる頻度の違いです。
これは想像しやすい違いではないでしょうか。
実際に生活していて、県職員と関わる機会はあまりないですもんね。
県職員と聞いて想像しやすいのは、保健所のコロナ関係や国家試験の免許、都道府県税の関係くらいでしょうか。
私が住民と直接かかわった経験としては、保健所の医療相談電話窓口です。
医療相談は病院に対するクレーム対応でしたが、1つのクレーム処理に半日以上かかることもありました。
「院長が謝ればクレーマーは気が済むから、院長早く謝ってくれ!」と思っていました。
部署によりますが、住民との対人ストレスは県職員の方が少ないかもしれません。
②引っ越し・近所付き合い
県職員は2,3年に1度、地域をまたぐ異動があるので、広い都道府県だと引っ越しが多くなります。
だから結婚を考えたとき、パートナーの理解が重要です。引っ越しでパートナーに転職をしてもらうかもしれません。
そう考えた時、パートナーが医療従事者などの資格を持っていると転職で心強いかもしれませんね。
一方、市町村職員は、一般的に転居を伴う異動がないので、ライフプランが立てやすいかと思います。
ただし、市町村職員で、勤務先の自治体に住む場合、近所付き合いがつきまといます。
自治会などの地区行事には積極的に参加しなければならず、ご近所さんからは「あそこを直してほしい」などご意見を聞かされます。
県職員が一軒家を建てたい場合、単身赴任or長距離通勤の覚悟をしなければなりません。
ちなみに通勤手当は、遠すぎると満額出ないし、ある程度近いと特急代が出なかったりします。
単身赴任手当もそんなにもらえないので、ライフプランを考えるのが難しいです。
一軒家を建てたい場合、引っ越しリスクの少ない市町村職員のほうがいいかもしれませんね。
③都道府県の本庁と合同庁舎について
市町村職員の場合、ほとんどの職員が市役所や役場で働きます。
しかし、県職員の場合は、ほとんどの職員が都道府県庁(本庁)ではなく、合同庁舎や県立学校・病院、単独現地機関などに所属します。
1年目は基本的に現地機関に配属され、修業をしてから本庁を経験します。
本庁勤務は国とのやり取りが多く、各現地機関に指示を出したり、現地機関から質問されたり頼られたりします。
本庁は基本的に激務の部署が多いです。。。
ちなみに県の庁舎には深夜に守衛さんがいるけど、小さな基礎自治体は職員が当番で夜勤をします。
まあ県職員でも市町村職員でも大雨や災害が起きたら夜勤ですが。。。
本庁や現地機関で色々な立場を経験したい人や、色々な地域に住んでみたい人は県職員のほうがいいかもしれません。
余談ですが、仕事の引継ぎは同じ庁舎に前任者がいる市町村職員のほうが楽だと思います。
県職員の場合、前任者が他の地域にいることが多いので、質問するのが大変です。毎回電話するのが申し訳なく感じてきます。。。
私が1年目の時の前任者は仕事でできる人で有り難かったのですが、電話で質問すると「ファイルにあると思うんですが」とか「マニュアルを見てもらえば分かると思うんですが」と一言付け足してきて辛かったです。。。
④デジタル化について(個人的見解)
デジタル化については自治体によって差がありますが、都道府県の方が市町村より進んでいる気がします。
私が勤めていた県は、途中からパソコンがシンクライアント(=様々な処理はサーバ側でやり、それを自分のパソコン上でリモートで操作しているみたいなシステム)になり、全てクラウド上(サーバ側)でデータを保存するようになりました。
全てクラウド上にデータがあるので、テレワークをしても防犯上安心です。
一方、地方都市の市役所に勤めている友人の話を聞くと、なかなかデジタル化は進みそうにないようです。。。
デジタル化が進むと、テレワークも一応可能になったり、チャットでコミュニケーションが取りやすくなったりと様々な恩恵があります。
オンライン会議も多くなり、出張の費用や時間も節約できます。
個人的に一番の恩恵は、シンクライアントのおかげでPCの起動時間が全て記録されて、県全体でサービス残業を無くす流れになったことです。
それまで「保健所は基本19時までは残業つけちゃだめだから」という謎ルールがあったので、繫忙期は本当に救われました。
「デジタル化が進んでいるかどうか」も志望先を決める上で重要な点だと思います。
まとめ
市町村職員と県職員の違いのまとめとしてはこんな感じです。
- 地域住民と関わるストレスは県職員の方が少ない
- 県職員は引っ越しリスクを抱えるが、近所付き合いリスクは小さい
- 一軒家を建てたいなら市町村職員
- 県職員は合同庁舎と本庁という異なる立場を経験できる
- 引継ぎは市町村職員の方が楽(?)
- デジタル化が進んだ自治体を選んだ方がいい
このように、県職員と市町村職員は色々な違いがあります。
少し県職員びいきになってしまったことは否めませんが、公務員志望の方の役に立てば嬉しい限りです。
まずは自分の理想とするライフプランを考えてから、県職員と市町村職員どちらが自分のライフプランに合っているかを考えるといいかもしれません。
また、公務員枠の採用枠を設けた自治体が出てきました。
今後、公務員経験者を積極的に採用する自治体がこれからどんどん増えるかと思います。
途中で市町村職員が自分に合ってなかったと思っても、県職員に転職するという選択肢もあるので、絶望しないようにしましょう。
もし今あなたが公務員として辛い思いをしていても、公務員に向いていないのではなく、その自治体に合っていないだけかもしれません。
以上、ありがとうございました!
コメント